小松島競輪の開設75周年記念「阿波おどり杯争覇戦(GⅢ)」は6日、12Rで決勝戦が行われ西田優大(27=広島)が単騎で最終1角から捲りV。初の記念優勝を飾った。2着は島川将貴、3着は佐藤慎太郎。3連単は17万4430円で波乱の決着となった。

第一声が「信じられない。ビックリしました」。西田はうれしさよりも、とまどいの表情を隠さない。人気は5人で結束する地元の徳島勢に集まり苦戦が予想された。それがふたを開ければ、単騎で踏み込み最終バック過ぎには捲りを決め先頭に立っていた。切り替えた島川の追走を封じ、ゴールを駆け抜けた。
「菅田さんが前受けなら粘ると思ったので、最後方から力の出せるタイミングを見極めていこうと」
犬伏が打鐘前から強烈カマシ。3番手の小川が遅れたことで、後方にはなったが内を吸い込まれるように伸びて最終1角から力を爆発させた。
出身は滋賀県だが、広島の自転車ロードレースのチームにいた縁で広島所属に。メキメキと力をつけて8月オールスターで初のGⅠ出場も決まった。
「それよりもFⅠが2つあるので予選から緊張します。GⅠではまず予選を突破できれば」。123期としては初のGⅢ制覇でニューヒーローの誕生だ。ビッグレース戦線での活躍に期待がかかる。(緒方 泰士)
◇西田 優大(にしだ・ゆうだい)1997年(平9)9月19日生まれ、滋賀県出身の27歳。広島支部所属の123期生として23年4月にデビュー。S級優勝は今回のGⅢが初めて。通算成績は172戦82勝。1㍍74、73㌔。血液型AB。
◆次走 優勝した西田優大は防府FⅠ(13~15日)、2着の島川将貴は青森FⅠ(17~19日)、3着の佐藤慎太郎は玉野GⅡ(18~21日)。